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板金加工とは

投稿日時:2020/10/02 13:21


場の機械カバーや自動車のボディ、建築物の内外装など、板金加工はさまざまな製品に使われています。かつては手作業が主流であり、技術の進歩とともに用途も広がっていきました。それでは、これから金加工を行う上で理解しておくべき基礎知識について解説していきます。

 

 

1. 板金加工とは

 

板金加工とは、平らな金属板材を切ったり、曲げたり、溶接することで指定の形状を作る加工方法です。板金加工は、大きく分けて建築板金と工場板金に分けられ、建築板金には内外装板金やダクト板金、工場板金には打ち出し板金や曲げ板金、機械板金などがあります。(図1)。

 

 図1:板金加工の種類

 

これらの板金加工は、工場板金技能士・建築板金技能士の区分に従うと、3つに分類できます(図2)。

 

・建築板金:主に手で加工する。内外装板金(屋根板金)、ダクト板金
・工場板金:主に手で加工する。曲げ板金、打ち出し板金
・工場板金:主に機械で加工する。機械板金、数値制御タレットパンチプレス板金

 

図2:板金加工の区分例と実際の加工方法・製品

 

金属板を手作業でたたいて加工するには、道具、材料、材料を変形させる力の3つが必要です。道具は治具(金型)と呼ばれ、治具を動かすためには、人間の力が必要です。より大きな力が必要な場合には、テコの原理を利用した道具や、動力を利用した機械を用います。

 

2. 建築板金とは

 

建築板金とは、屋根・外壁・ダクトなどの建築構造物を、板金加工で作成することです。製品には、建築物の外側(屋根などの施工)と、内側(調理場など、設備を作る作業)の2種類があります。建築板金に使用する材料は、亜鉛鋼板、カラー鋼板、ステンレス鋼板などです。厚さ1mm以下の板材が利用され、施工後に塗装が行われることはありません。

 

・亜鉛めっき鋼板:亜鉛めっき加工された鋼板。亜鉛鉄板、トタン板とも呼ばれる。
・カラー鋼板:表面に塗料が塗布された鋼板。色調による意匠性や、耐食性などに富む。
・ステンレス鋼板:鉄に、クロムやクロムニッケルを添加した鋼板。高い耐食性を示す。

 

ダクト板金は、空調経路を構築する配管などの施工に利用され、主に薄い亜鉛鋼板を使用します。接合に溶接を用いることはほとんどなく、シーミング(ハゼ組)という手法を用います(図3)。

 

図3:シーミング(ハゼ組)

 

3. 工場板金とは

 

工場板金とは、さまざまな工業製品に使われる製品・部品を、板金加工で作成することです。工場板金の代表的な製品は、工場内部の機械カバーです。単品生産なので、図面や展開図の作成は個別に行います。展開図とは、立体の表面を切り開いて、平面状に広げた図です。展開図を折り曲げると、元の立体になります(図4)。板金加工では、金属板を折り曲げて製品の形状にするため、展開図を描く必要があります。

 

図4:展開形状と製品形状

 

三次元形状を作る際には、打ち出し板金という手加工を用います(図2)。モーターショーなどに展示されるコンセプトカーの外板や、列車の先頭部分などは、打ち出し板金で作られます。一方、スチール家具や書棚などの量産品は、機械を利用した機械板金によって生産されます(図2)。数値制御で加工を行うため、精度に優れ、大量生産が可能です。板厚1mm以上の鋼板が利用されることが多く、加工後に塗装などの処理を行います。板厚が厚いことから、接合には溶接が利用されます。



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