板金加工の種類と各加工法の概要 |
板金加工は大きく3つあり、プレス加工、精密板金、手板金加工に分けられます。プレス加工は専用金型を用いた手法で、金型に板金を押し付け形成する加工方法です。一度の工程で複雑な形を形成できるため大量生産に向いてます。
精密板金は、汎用の金型を用いた板金機械(ベンディングマシン)を使い、形成する方法です。位置調整、工具の付け替え、プレス量などすべて手動のため少量~中量産に向いています。
手板金加工は板金をハンマーなどで叩いて形成する手法です。プレス加工や精密板金では対応できない加工で使われることが多く、手動のため少量生産、完全受注の生産となります。
板金加工の手法であるプレス加工、精密板金、手板金加工のメリット・デメリット |
プレス加工 | 精密板金 | 手板金加工 | |
メリット | 大量生産が可能。生産時間と費用は安い。 | 汎用性が高い。立体的な複雑加工が可能。 | 流曲線のような複雑形状の生産が可能。汎用性が高い。 |
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デメリット | 金型の初期費用がかかる。金型の改造または再製作が必要な場合もある。 | 複雑な形状の加工をすることが難しく、生産スピードが遅い。 | 手作業で加工を行うため、時間がかかる。費用も高い。大量生産が難しい。 |
生産量 | 1000個~ | 10~1000個 | 1~100個 |
使用分野 | 大量生産、単純形状 | 少量~中量生産。セミオーダーメイド製品。立体的な形状。 | 少量生産。オーダーメイド。曲線形状 |
必ずしも1つの加工方法で完成させる必要はないため、試作段階ではまず手板金加工を用いり、次の段階から生産量などを考量し、商品化に向けて加工法を変えるなどそれぞれの加工法を組み合わせることができます。